渋沢栄一まとめ

渋沢栄一ってどんな人? 何をした?名言も合わせて紹介

2021年のNHK大河ドラマ「晴天を衝け」の主人公であり、2024年に刷新されることになった紙幣の中でも一万円札の肖像画としても選ばれた「近代日本資本主義の父」と呼ばれる歴史的偉人。

2021年以降、注目が高まること間違いなしの渋沢栄一についてまとめました。

この記事を読むことで、渋沢栄一がどんな人か、NHK大河ドラマやお札のことについても知ることができます。

プロフィール

「しぶさわ えいいち」と読みます。

江戸時代の天保11年(1840年)3月16日に現在の埼玉県深谷市で生まれ、幕末から明治、大正時代を駆け抜け、昭和6年(1931年)11月11日に東京都北区で亡くなりました。享年91歳でした。

豪農の家に生まれ、倒幕の志士になり、一転して幕府の役人となって江戸時代最後の将軍徳川慶喜にも仕えた後、更に一転して明治政府の役人を経て事業家となるという波乱に満ちた人生を送りました。

  1. 豪農の家に生まれ、郷里の村で幼少期を過ごす
  2. 幕末期に尊王攘夷運動に加わる
  3. 徳川慶喜に仕える。渡仏。帰国して大政奉還に直面する
  4. 大蔵官僚となる
  5. 退官して実業家になる

近代日本資本主義の父

生涯で約500社もの企業を設立し、約600もの社会公共事業に関わったことで、「近代日本資本主義の父」と呼ばれています。

最初は現在の「みずほ銀行」にあたる日本最初の近代的銀行である「第一国立銀行」の設立から始まりました。この第一国立銀行を拠点に、数々の企業の創設 ・育成に力を入れました。

渋沢栄一が関わった企業のほんの一部を紹介します。どの企業も現代の日本では誰もが知っていて、当たり前のように存在する欠かせない企業ばかりです。

【証券】東京証券取引所
【電力】電力各社(東京電力、関西電力…)
【ガス】東京ガス、大阪ガス
【石油】ENEOS
【鉄道】JR各社、私鉄各社(東急、小田急…)
【海運】日本郵船、商船三井、東海汽船
【鉄鋼】新日鐡住金
【製紙】王子製紙、日本製紙
【保険】東京海上日動火災保険
【自動車】いすゞ自動車
【通信】KDDI
【飲料】キリンビール、サッポロビール
【製薬】第一三共
【建設】清水建設
【旅行】JTB、帝国ホテル

渋沢栄一が関わった約500社についてもっと知りたい人は、東京商工会議所の資料をご覧ください。

新一万円札の顔

2019年4月、財務省が千円・五千円・一万円の紙幣を2024年度に一新すると発表しました。紙幣の刷新は2004年以来のことで、20年ぶりとなります。

そして、この新紙幣の一万円の顔として渋沢栄一が選ばれました。一万円札の人物の変更は、前々回の1984年に聖徳太子から福沢諭吉になって以来のこととなります。
新一万円札の図柄(表裏)

ちなみに五千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎が選ばれました。

また、裏の図柄は新一万円札が東京駅舎、新五千円札が藤の柄、新千円札が葛飾北斎の「富嶽三十六景」の一つ神奈川沖浪裏となります。

2021年 大河ドラマの主人公

2021年のNHK大河ドラマは、渋沢栄一が主人公としてとりあげられることになりました。

  • 題名:青天を衝け(せいてんをつけ)
  • 放映開始:2021年2月14日(日)

「せいてん」と聞くと、晴れた日の「晴天」を思い浮かべますが、「青天」という漢字になっていて、「つけ」と聞くと「突け」という漢字を想像しますが、こちらも「衝く」という漢字が使われています。

何か意味があるのかと思って調べてみると、この「青天を衝け」という表題は、渋沢栄一が詠んだ漢詩の「勢衝青天攘臂躋 気穿白雲唾手征」(意:青空をつきさす勢いで肘をまくって登り、白雲をつきぬける気力で手に唾して進む)という一節から取られたとのことです。

漢詩からとったからだったんですね。

主役の渋沢栄一役に選ばれたのは吉沢亮。「仮面ライダーフォーゼ」でメジャーデビュー、連続テレビ小説「なつぞら」ではヒロインの幼なじみ・天陽役を演じました。大河ドラマへの出演は今作が初めてとなります。

そして、渋沢栄一が仕えた徳川家最後の将軍、徳川慶喜役を元SMAPの草彅剛が演じます。

また、大河ドラマといえば主人公に所縁のある地域が沸きますが、「大河ドラマ館」が渋沢栄一の出身地である埼玉県深谷市に開設されます(開館日は2021年2月16日)。そして、渋沢栄一終焉の街である東京都北区でも本邸のあった飛鳥山に「大河ドラマ館」が設置されます。東京23区での大河ドラマ館設置は初とのことです。

現代に読み継がれる名著「論語と算盤」

大正5年(1916年)に刊行された『論語と算盤』は、現代にも通じる「道徳と経済」の考え方を学べる一冊として、今なお多くの経営者や起業家に読み継がれています。

渋沢栄一は実業を行う上で、資本主義の世の中を「論語」に裏打ちされた商業道徳で律しようとしました。そして、公や他者を優先することで豊かな社会を築くという思想を実践しました。

渋沢栄一の名言

渋沢栄一はまさに知行一致の人ですが、数々の名言が残されており、現代でもその言葉は全く色褪せていません。

まさに、将来に希望を見出せず元気のない日本に必要な言葉といっても良いでしょう。

名言+Quotesから10個選んで引用させて頂きました。

    1. 人は全て自主独立すべきものである。自立の精神は人への思いやりと共に人生の根本を成すものである。
    2. 全て形式に流れると精神が乏しくなる。何でも日々新たにという心がけが大事である。
    3. 事業には信用が第一である。世間の信用を得るには、世間を信用することだ。個人も同じである。自分が相手を疑いながら、自分を信用せよとは虫のいい話だ。
    4. たとえその事業が微々たるものであろうと、自分の利益は少額であろうと、国家必要の事業を合理的に経営すれば、心は常に楽しんで仕事にあたることができる。
    5. 金儲けを品の悪いことのように考えるのは、根本的に間違っている。しかし儲けることに熱中しすぎると、品が悪くなるのもたしかである。金儲けにも品位を忘れぬようにしたい。
    6. 死ぬときに残す教訓が大事なのではなく、生きている時の行動が大事なのだ。
    7. 信用はのれんや見た目から得られるものではなく、確固たる信念から生まれる。
    8. 真似をするときには、その形ではなく、その心を真似するのがよい。
    9. 反対者には反対者の論理がある。それを聞かないうちに、いきなりけしからん奴だと怒ってもはじまらない。問題の本質的な解決には結びつかない。
    10. 世の人が元気をなくしており、社会の発展が停滞している。いままでの仕事を守って間違いなくするよりも、さらに大きな計画をして発展させ、世界と競争するのがよいのだ。

奇行が目立つものの、現代の渋沢栄一とも言えるほどの事業家、イーロン・マスク氏についての記事もぜひご覧ください。

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