その方法の1つに、自分ではなく他者の変化に期待するという方法があります。
自分自身の劣等感を克服するためには、他者の評価が下がることで、自分がどこか評価が上がったという錯覚を誘い、そして劣等感を克服しようとする自己防衛の心理が働いている、と考えられています。
その代表例が最初にお伝えした、他人が不幸になった瞬間でもあるのです。
勝ち取ったという喜びから
優越感は、努力の末に勝ち取ったという喜びから、優越感に浸る瞬間も存在します。
例えば個人事業主の人が、長年の努力の末に目標である年収にたどり着いたときなどに、よく浸る心理的特徴であります。
この場合の優越感というのも、劣等感と大きく関連性があり、「ホストのような水商売している人には負けたくない!」などという、今までは負けていたという劣等感から解放された瞬間に、人は優越感に浸ります。
努力の末に劣等感から解放された瞬間ほど、優越感に浸りやすい瞬間というのは、無いに等しいのかもしれません。
能力が低い人ほど浸りやすい
実は人間のほとんどが、「自分は中より上の人間である」という感情を抱いており、そしてこうした考えは、自分の運転テクニックに関するアンケート調査でも明らかになっています。
もしもあなたが運転をよくする人であれば、自分は運転は決して下手な方ではない(中より上)という感情を抱いているのではないでしょうか。
こうした考え方を、心理学の世界では【優越の錯覚】と呼びますが、これは能力が低い人ほど自分はなんでも知っているというような、態度をとりやすいという法則があります。
つまり能力が低い人ほど、自分がいかに有能かという錯覚を抱きやすく、人を馬鹿にして優越感に浸りやすくなってしまうというわけです。
自分を過大評価している人ほど、劣等感を抱きやすく、そして優越感にも浸りやすいということになります。