このように自分に注意を向けることを、自己注目と言いますが、人というのはどうしても欠けている部分に目がいってしまう習性がありますので、自分に注目する意識が強くなればなるほど、悪い部分ばかりが見えてしまうようになってしまうのです。
そしてその不安や恐怖心を取り除くためにも、自分語りをして周りの反応を確認し、自分が嫌われていないのかどうかを確認することによって、安心感を得ようとしている心理が考えられます。
さらにネガティブ思考な人ほど、リスクを恐れる傾向があるので、他人に自分という人間を語り、いかに弱い人間であるかということを理解してもらうことで、リスクを避けようとする心理傾向もみられます。
これを簡単に言い換えると、自分自身に注目が向きすぎているので、自分語りができるという結論に至ります。
共感性が低い
共感性が低い人というのは、他人の気持ちが理解できない人、失言が多い人などの無神経であると言われる人に多く、相手の立場に立って気持ちを考えることができない人のことを言います。
少し昔に流行った言葉で言い換えると、KY(空気が読めない)な人であるのです。
このように、他人の立場に立って気持ちを考えることができない人は、対人感受性が低い人であり、他にも低い人の特徴を以下に挙げておきましょう。
- 相手への気遣いが難しい
- 感情の変化に気づけない
- 苦笑いが分からない
- 心理の裏側を読み取れない
- 良好な会話が難しい
- 相手に関心をもてない
- 相手に合わせた会話が難しい
上記のような特徴が見られ、とにかく良好なコミュニケーションが取れないという分部が、最も分かりやすい見分け方であると思います。
このような、対人感受性が低い自分語りをする人というのは、まだ心が幼いままであると言い換えることができるでしょう。
子供が自分の好きなことや夢を夢中に語るのと同じ心理であるのです。
対人感受性を高めることは徐々に高めることが基本となりますので、自分に当てはまっていると思った場合は、焦らずにじっくりと高めていくことを心がけていきましょう。
病気を疑うパターン
自己愛性人格障害
自己愛性人格障害とは、自己愛性パーソナリティ障害とも言い、「自分が周りから賞賛されたいという欲求が異常に強いのに対し、他人への共感性が欠けている障害」のことを言います。
ありのままの自分を愛せず、劣等感を抱いているという特徴が見られ、自分に対して過剰な特別扱いや賞賛を求めるのも、この障害の特徴です。
自分の存在を特別な存在だと思っていたり、賞賛を求めているからこそ、自分語りが多くなってしまうわけですが、うつ病や人間関係の不和に隠れている場合もあるので、社会的に成功している人であっても、この障害だと診断されてしまう人もいます。
以下に性質的な特徴をまとめておきましょう。
- 自分が一番以外は気が済まない
- 自慢話がとにかく多い
- 見栄っ張りで着飾る
- 根拠のない自信がある
- 見下されることは耐えられない
- 自分の思い通りにしたい気持ちが強い
上記のような特徴が見られ、自分が一番でありたいという気持ちが強いので、とにかく自己中心的で、自分の期待外れなことに対しては怒りを表すことも珍しいことではありません。
見栄っ張りで着飾ることも多いので、一見外見上は魅力的であると思われがちですが、会話を進めていくにつれて、評価が落ちてしまうタイプであるといえるでしょう。
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群と自己愛性人格障害は共通点もあり、併発することもあり得ることです。
アスペルガー症候群も同じく、相手の気持ちが分からないという特徴があるがゆえに、自分語りをするだけしてしまい、相手の話を聞かずに話を打ち切ってしまうこともあります。
この2つの違いに関しては、アスペルガー症候群の場合は、「内から見る自分への興味」で自分語りすることに対して、自己愛性人格障害の場合は、「外から見る自分への興味」で語るといった特徴が見られます。
つまりアスペルガー症候群は、「内向き」であり、自己愛性人格障害は、「外向き」であるといえるでしょう。