一方でこの説は、あくまで患者と医師との関係性が大事であるとされており、面白い研究結果として、さらなる研究をしていきたいと答えています。
逆のノーシーボ効果も存在する
ノーシーボ効果とは?
ノーシーボ効果とは、反偽薬効果のことであり、プラシーボ効果と逆の効果であります。
「思い込みによって望まない状態になってしまう」のがノーシーボ効果であり、こちらも日常生活で見られることは珍しいことではありません。
プラシーボ効果と同じように、以下に代表例を挙げて分かりやすく説明していきましょう。
ノーシーボ効果の代表例
指摘された途端、体調悪化
他人に顔色が悪いとか、うつ病じゃないの?などの指摘によって、本当に自分の体調を壊してしまうことは、ノーシーボ効果によるものであると考えることができます。
よく学校や職場などでも、顔色が悪いと言われた途端に、そんな気がして元気がなくなるという人がいますよね。
これは仮病の可能性も考えられますが、ノーシーボ効果によって、本当にそうであるかのように暗示がかかっているのです。
故に頑張ってもらいたいときには、できるだけノーシーボ効果となるような発言は避けた方がいいでしょう。
偽薬をやめると、体調悪化
偽の薬であるにもかかわらず、その薬を止めたとたんに体調が悪化するのも、ノーシーボ効果によるものです。
こちらはよくうつ病患者などに見られ、薬を飲まなければ体調が悪化したかのように感じ、なかなか寝付けないなどの症状も見られます。
こういった時には、偽薬でもいいので、効果がある薬だと家族などに進めることができればいいですね。
ショック死
こちらは世界まる見えで紹介され話題になった事件であり、1920年にある国で実験が行われました。
その実験とは、死刑囚にできるだけ苦痛を与えずに刑を執行するには、どうすればいいのかという実験でした。
まず結論から言えば、死刑囚は手首と足首にメスを当てられ、そしてポタポタと自分の体から流れ落ちる血のような音を聞いて、安らかに息を引き取りました。
ここでも思い込みによる大きな効果が見られ、実はこの死刑人の手首と足首にはただメスを当てただけであり、一切切り付けるような行為は行っていなかったのです。
さらにメスを当てた部分には、ゆっくりと水滴を垂らしていただけであり、血のような音はただの水であったのです。
しかしながら、思い込みによる「自分はもう死ぬ」や「血が流れている」といった思考によって、死刑囚には強いストレスが与えられ、結果的に苦痛を与えずに死刑囚に刑を執行することとなりました。
つまり、ノーシーボ効果は使い方次第では、殺傷能力もあるということですので、人間の思い込みの効果というのは、現象として結果に出るということがここからも分かりますよね。
実際に体の変化が見られます
いかがだったでしょうか。
プラシーボ効果やノーシーボ効果というのは、気持ちが変化するだけでなく、実際に人の体に何らかの変化を起こすということが分かったかと思います。
薬が嫌いだとか、薬にあまり頼りたくないという人にとっては、プラシーボ効果で得ることができる効果を、一度期待してみてはいかがでしょうか。
当然効果が表れる保証はありませんが、思い込みによって悪い状態になってしまう、ノーシーボ効果が見られるよりは、よっぽど安全でいいですよね。
友達などに遊び半分で試してみる時は、ノンアルコールビールをウォッカなどと適当に説明して飲ませ、相手の体の変化を試してみると、面白い結果が得られるかもしれませんが、悪ふざけで別の効果がある薬を進めることなどは、何があるか分からないので止めておきましょう。