にわかファンという言葉を聞いて、あなたはどのようなイメージを抱くでしょうか。
にわかファンと言われた人にとっては、傷ついたり、仲間外れにされた気持ちになったりするかもしれませんが、にわかファンであると決めつける人の心理には、ある面白い心理が深く関係ているのです。
そんなにわかファンの心理や、にわかファンになりやすい人の特徴を見ていきましょう。
にわかファンの意味とは?
にわかファンの意味とは、【普段は応援しないチームをいきなり応援したり、話題に乗っかるかのように、その時期だけ応援する】ような人のことを指します。
簡単に言えば、【急にファンになり、一時的なファンで終わってしまう】ような人のことを、にわかファンと言います。
また、にわかファン=こいつは大した知識のない、一時的なファンだと思われることも多いため、差別用語的な意味として使われることも多いです。
そんなにわかファンのイメージを、より明確にするためにも、以下に心理や特徴を挙げていきましょう。
にわかファンの心理って?
内集団・外集団
内集団・外集団とは、アメリカの社会学者W・G・サムナーが用いた言葉であり、意味を以下に挙げておきましょう。
- 内集団の意味【自分が所属している集団】
- 外集団の意味【それ以外の集団】
という意味であり、にわかファンにはこの、内集団・外集団の心理が大きく影響していると考えられているのです。
例えば、オリンピックを例に挙げると非常に分かりやすいです。
日本人という集団に所属している=日本人を応援する
日本以外の集団に所属している=自分の国籍を応援する
これが、内集団・外集団の心理であり、にわかファンが大量発生するとも言われる原因でもあるのです。
また、日本人選手が誤審を受けた場合は、テレビなどのメディアを通してその話題を持ち上げますが、日本人選手が得する判断が下された場合には、ラッキーと思うような、ひいきしてしまう心理を、内集団バイアスと言います。
この内集団バイアスも、にわかファンに大きく繋がる部分があるので、以下に詳しく説明していきましょう。
内集団バイアスって?
こちらも実は、内集団バイアスと外集団バイアスとの二種類があるのですが、こちらも以下に例を挙げていきましょう。
内集団バイアスの場合、「日本人選手が活躍すれば、応援している自分の評価も上がると思い、ひいき目に見てしまう」
これが、にわかファンをさらに増やしてしまう心理的原因であると考えられ、よく見られる心理としては、「日本人選手が金メダルをとった=自分たちの誇りのように思い、自分の自己評価が高まったように感じる」といった心理現象を、あなた自身も感じたことがあるのではないでしょうか。
そして最終的に、「普段から応援していないが故にルールをあまりしない=周りの意見に便乗して、批判をしたり、喜んだりしてしまう」ようなことに繋がり、コアなファンに嫌われたり、批判される対象となってしまうわけです。
例えば、普段からサッカーを本気で応援している人達からすれば、Wカップで日本が勝つと渋谷で若者を中心に暴れる人が多く見られましたが、マナーを守ってサッカーを応援してきている人からすれば、同じようなファンであると見られることに苛立ち、結果的ににわかファンが嫌いということにも繋がってきてしまう、という流れが分かりやすいでしょうか。
確かにこの心理現象は、痛いほど分かるという人も多いでしょうし、実際に私自身も同じような感情を抱いてしまっていることも多いです。