プラシーボ効果という言葉を耳にすると、どこか難しくて意味も理解できないような言葉ではないだろうか…そう感じてしまう人もいるでしょう。
しかしながら、プラシーボ効果という言葉を知らないだけであり、実はあなた自身も一度くらいはプラシーボ効果の魔法にかかってしまい、助けられたという経験があるかもしれません。
そんなプラシーボ効果による驚きの効果と、具体例をいくつか参考に挙げていき、誰でもわかるプラシーボ効果の凄さをまとめていきます。
プラシーボ効果とは?
プラシーボ効果とは、日本では偽薬効果と呼ばれることもある比較的メジャーな心理効果であり、「思い込みが体にいい影響を与えること」が、プラシーボ効果であります。
本来の意味は、偽薬効果という文字を見て分かる通り、偽薬を使った暗示効果のことを意味しますが、それ以外での治療法にてプラシーボ効果として説明されることもあります。
このプラシーボ効果は、1955年にヘンリー・ビーチャーが研究結果を報告した後に、様々な心理学者が実験結果を報告し、たくさんの効果があるということが分かっています。
その一方で、プラシーボ効果を疑問視する人もいて、過去には様々な学者による研究結果の報告の末に、症状を和らげる効果はあるが、症状を改善する効果はないという報告もされるなど、今なお様々な研究による新たな報告がされているのが現状です。
そんなプラシーボ効果に関して、最新の情報も加えつつ、日常で多くの人が使っているプラシーボ効果の例を見ていくことにしましょう。
プラシーボ効果の例4つ
ノンアルコール
テレビのドッキリ企画などでも目にすることがありそうなことですが、ノンアルコールをいかにもアルコール濃度が高い飲み物と教え、飲ませることで、相手が酔った気分になるのは、これはプラシーボ効果の思い込みによる効果であります。
さらに研究結果によると、炭酸水をウォッカだと相手に伝え、それを飲ませた結果、なんと気分だけではなく、判断力まで鈍くなっていたという研究結果も報告されており、思い込みの効果がいかに凄い効果をもたらすかということが分かります。
当然これは全ての人に効果があるとは言いきれませんが、過去には3人に1人がプラシーボ効果による変化が出たという報告もあることから、個人差があることは確かでしょう。
薬
病は気からという言葉がありますが、これは心理学的にも否定することができない言葉であり、薬を飲むと元気になると思い込んでいる人にとっては、偽薬であっても効果があることが分かっています。
いかにも本当の薬であるかのように薬を提供し、その薬を飲んだところ、薬を飲んだ時と同じような効果が得られるということが分かっており、特に下痢や不眠といった症状には、効果が出やすいとされています。
このように思い込みの力によって、状態を変化させる効果こそ、プラシーボ効果であるのです。
恋愛
例えば、恋愛に関する心理テクニックを勉強した後に、自分は今までとは違うモテる人間になれるような気がして、さっそく行動に出たとしましょう。
この場合、思い込みによる効果で、普段よりも積極的にアピールすることができるかもしれませんし、本来はネガティブな感情で恋愛に挑むのに対して、なぜかポジティブな気持ちで恋愛に挑むことができるかもしれません。
これは薬や医療には関係がないものの、プラシーボ効果と同じく効果があり、実際に私もこの効果を実行して、普段は恋愛に自信がなかったはずの自分を、思い込みによって明るくポジティブな自分で、デートに挑むことができたのです。
もっと分かりやすく伝えると、本当は心理テクニックを知っただけでは、自分のコンプレックスや容姿は変わらないのに対して、その現状を変化させたかのように思い込むことこそが、プラシーボ効果とであるといえるでしょう。
成績が上がる
サンフランシスコで行われた実験結果によれば、「まず3人の教師に、君たちはこの学校で最高の教師3人であり、専門知識も豊富なため、君たち3人の先生にはIQの高い生徒90人を担当してもらう」という噓の報告を、3人の先生に告げました。
そして生徒には、「君達はIQの高い90人の生徒であり、その集まりだ」と伝えられました。
するとその発言に自分たちは優れていると思い込んだ生徒と先生は、1年の間に学校に通うことが楽しくなり、1年後にはサンフランシスコ近辺の学校の平均成績と比べても、20~30%も高い成績を上げたのです。
実はこれは嘘であり、生徒もごく普通の平均的な点数である生徒90人と、先生はクジによって決められた3人であった。
この驚くべき成績の向上は、思い込みが大きな影響を及ぼし、自分たちに前向きな期待感があったからこそ、状況を変えることができたと結論付けています。
こちらも薬や治療とは関係ありませんが、思い込みの効果として、プラシーボ効果と同じ効果があったのです。