いま、欧米諸国や韓国をはじめとした海外では、コオロギを始めとした「昆虫の食用・飼料市場」が有望視されています。
2013年にFAO(国連食糧農業機関)が発表した報告書で、将来の世界の食糧不足解決策として、昆虫の持つ高い栄養価や環境負荷の低さ等がとりあげられたことがキッカケでした。
日本でも、2016年12月に人気テレビ番組「クレイジージャーニー」で、昆虫食愛好家の「愛」さんが女性ジャーニーとして出演したあたりから、少しづつメディアで昆虫食がとりあげられる機会が増えてきています。
この記事では、昆虫食がまだそれほど知られていない日本で、昆虫食をする人としない人の心理と特徴・共通点について紹介して行きます。
昆虫食をする人の心理と特徴
それでは早速、「昆虫食をする人」の心理と特徴・共通点などについて見ていきたいと思います。
変人
少し失礼な表現になりますが、食べるものに不自由することがない現代の日本で、敢えて昆虫を食べようというのですから、「変わった人」であることは間違いないでしょう。
ちなみに、昆虫食愛好家の愛さんによれば、
食虫植物がコバエを食べていたのを見て食べたくなった。それから昆虫食の味に興味が湧き、昆虫食を味わえるイベントに参加したことがきっかけで、外国にまで昆虫を食べにくようになった。
ということです。
食虫植物を見て、自分も昆虫を食べたいと思う思考スタイルがやはり普通の人とは違っていますね。
意識が高い
愛さんのような本能的な欲求ではなく、「昆虫食が将来の世界の食糧不足を解決する有効な手段である」という理念と使命感にかられて昆虫食を始める人です。
現在、世界では経済成長が続いており、開発途上国の人達がこれまで高価で食べることのできなかった、牛や豚などの家畜の肉を食べるようになってきました。
牛を飼育するに際し、牛を1グラム増やすのに8グラムの飼料(トウモロコシなどの穀物が原料)が必要になります。
飼料穀物を育てるためにも大量の土地・水・肥料が必要であることを考えると、食料不足だけに留まらず、環境負荷も深刻な問題になっています。
昆虫ならば牛1グラムを増やすのに、2グラム以下で済みます。また、コオロギは1ヶ月ほどで成長するため、飼料用の穀物よりも飼育期間が短くて済みます。
FAO(国際食糧農業機関)は、2050年に世界人口は90億人に到達し、食肉の摂取量は世界全体で3割近く増加すると見込まれていますが、食肉の生産を担う畜産業は地球温暖化への影響が非常に大きいため、持続可能な社会にむけた食料生産手段の1つとして「昆虫」を推奨しています。
こうした話を聞けば、飼料としての昆虫の活用に異論を挟む人は少ないと思いますが、自分が食べて世界の食料不足に貢献しようという人は、肯定的な意味で「意識が高い」と言えますね。
新しもの好き
昆虫食をテレビなどで見かけたのをキッカケにしてインターネットで検索して、イベントに参加したり、通販で購入したりといった、好奇心の強い、新しもの好き(アーリー・アダプター)がどんなテーマでも一定数、存在するものです。
目立ちたがり
SNSなどで注目を集められるということを理由にして、昆虫食に挑戦する人もいます。
twitterやInstagramで「#昆虫食」と検索すれば、そうした人たちの生の動向を眺めることができます。
慣れると自然に食べられる
昆虫を食べた人達の感想として「食べてみると意外と美味しい」といったコメントが多くみられます。
栄養素が豊富で栄養価が高いという、機能面では折り紙付きのない食べ物なので、肝心の味に抵抗がなければ全く問題がありません。
あとは手に入れやすさとコスパが良ければ昆虫食を継続することができるでしょう。
その土地の文化・風習がある
日本でも、海産物が少ない山間部の地方を中心に昆虫を食べる文化が残っています。
長野県は、蜂の子、ゲンゴロウなどの昆虫を佃煮にしたり、イナゴを炒めたりする料理があったりと、昆虫食の“本場”として有名です。
長野県の他にも、群馬県・岐阜県・宮崎県等で、昆虫を食べる文化が存続しています。
もともと、日本人は昔から昆虫を食べていたけれども、現代ではほとんど食べなくなっているだけと考えれば、昆虫食というのは先祖帰り的な要素も持ち合わせていると言えます。
昆虫食をしない人の心理と特徴
ここまで少数派となる「昆虫食をする人」の特徴を見てきましたが、ここからは多数派である「昆虫食をしない人」の心理・特徴・共通点を見ていきます。
生理的にNG
基本的に人間は未知のものは本能的に受け付けないようになっています。