適応障害は、うつ病の前段階とも呼ばれる精神疾患です。うつ病に比べて生活の中で耳にすることの少ない病気ではありますが、生活の困難さをかかえている人が多いのも事実。
本記事では、適応障害の特徴や向いている仕事について紹介します。
適応障害ってなに?
はじめに、適応障害の定義について確認していきます。
厚生労働省のウェブサイトによれば以下のように定義されています。
適応障害とは、ICD-10(世界保健機構の診断ガイドライン)によると「ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」と定義されています。
(中略)つまり適応障害とは、ある生活の変化や出来事がその人にとって重大で、普段の生活がおくれないほど抑うつ気分、不安や心配が強く、それが明らかに正常の範囲を逸脱している状態といえます。
【出典】適応障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
ここからもわかるように、適応障害の原因はストレスです。
あるストレスが原因で抑うつ気分や不安などが強まっている状態のことをいいます。
しかも、その状態が日常受けるストレスよりもかなり強いものであることもいえるでしょう。
ストレスの原因は人それぞれですが、不安や抑うつ状態が強くなったきっかけが特定されていることが条件となっています。
ストレスの大きさについては、「生活の変化や出来事がその人にとって重大で」とあるように、人それぞれです。
そのため、どれくらいのストレスがあるから適応障害だと断言することもできません。
そのほか、うつ病へと移行する場合が多いことも知られています。
適応障害の特徴は?
ここでは、適応障害の特徴を原因や症状に分けて紹介していきます。もちろん、ここにあるものに当てはまらないからといって適応障害ではないと言い切れません。心配な場合には必ず医師の診断を受けるようにすることをおすすめします。
原因編
まずは、適応障害の原因となるものの中で、特徴的なものを紹介します。
就職や転職
就職や転職など、会社に入りたてや新たな会社に入ったときのストレスが原因になることがあります。
就職の場合には、学生から社会人になるためにギャップが大きくなります。
その変化が人によっては大きなストレスとなるでしょう。
適応障害のイメージから、ストレスは悪いことから起きると考えてしまう場合も多いですが、良い意味での環境の変化からストレスを感じる場合もあります。
社会人になって一人前の大人になった責任感から適応障害になる場合もあるでしょう。
転職の場合には、前職との働き方や業務量の違い、社内文化の違いからストレスを感じることがあるでしょう。
そのストレスが自分で対処できる場合はよいですが、そうでない場合には適応障害になる可能性があります。
結婚や離婚
結婚や離婚などがきっかけで適応障害になることもあるようです。
どちらも人との関係性が変わる大きなイベントのため、良い意味でも悪い意味でもストレスがかかります。
離婚の場合はイメージしやすいと思うので、結婚の場合を紹介します。