「あんなダサい男と付き合わなくてよかった」とか、「本気を出せば余裕だった」などといった、負け惜しみとも取れる言葉は、聞いている側が見苦しいと思ってしまう瞬間でもあります。
ここで一つの疑問が浮かぶのですが、なぜ負け惜しみとすぐにバレてしまうのに、私たち人間はそうした発言をしてしまうのでしょうか。
実はその答えを探っていくと、なかなか面白い心理が働いているということが、心理学から見えてきました。
合理化している
負け惜しみを言う人というのは、何かと後から自分がいかにも正しいような発言をしたり、理屈っぽく自分を正当化しようとしますが、こうした心の働きのことを「合理化」と呼びます。
合理化の意味とは、「もっともらしく理由づけすること」であり、自分の行動を正当化するためや、自分自身を守る時などに多く見られる傾向にあります。
例えば、日常生活でよく見られる合理化というのは、以下のようなケースが典型的例であります。
好きな女の子に必死でアピールするはずが、影で悪口を言われていたとしましょう。
すると本人は、「あんなブスなんてどうでもいいし、付き合いたくもないわ!」という合理化をすることによって、自分の行動を正当化しようとし、負け惜しみを言ってしまいます。
このように、もっともらしい理由をつけて、本当は自分はそれほどショックでもないし、付き合いたくもなかったという嘘をつくことで、葛藤から自分を守っている心理こそが、負け惜しみの正体なのです。
他にも、「仕事ができないことが理由でクビになってしまったことを、あんな会社自分には合わないし、上司のレベルも低かった」というような負け惜しみを言うのも、よく日常生活で目にする光景の1つです。
こうした心理から分かることは、負け惜しみを言う人というのは、自分の行動を正当化することで、自分を守っているということなんですね。
不安の解消にも使われる
負け惜しみを言うことは、合理化と呼ばれる心の働きが原因であるということを述べましたが、心の不安を解消する際にも、よく負け惜しみのような発言を私たちはしがちです。
こちらもよりイメージしやすいように、以下に例を挙げておきましょう。
誰よりも時間をかけて仕事をこなしたはずが、上手くいかなかったとしましょう。